【研究で判明】上達したいなら練習時間を減らしましょう。

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あなたは練習のあと、手首や腰が痛くなったりするなど、身体に違和感を感じた経験ありませんか?…あるなら、それは練習のしすぎです!

あなたのように熱心な人ほど、体の負荷に気づかずにずっと練習しています。痛みが出てからやっと気付いたり、練習後にじわじわ症状が出てきたり。

そんな感じで繰り返していると、いずれ重症になりかねません。私のように腰痛治療に15万かけたくない方は、この記事を参考に無理ない練習ライフをどうぞ。

テーマ:最適な練習時間とは

「プロは一日8時間練習している」と聞きますが、今日でその考えは捨ててください。海外の科学研究でも、私の実体験からも、8時間の練習など決してお勧めできないことがわかりました。

では、適切な練習時間ってどれくらい?時間配分はどうすれば良い?今回はそんな疑問についてお答えします。

世界トップレベルのバイオリニストの練習時間に関する研究

精神生理学者ペレツ・ラヴィー博士は、世界トップレベルの成果を上げているバイオリニスト達と、その他一般的なバイオリニスト達の違いについて調査しました。

その結果、世界トップの成果を上げているバイオリニスト達、全員に共通している要素がわかりました。それが次の4つの要素です。

  • 長くても4時間30分以内に練習を終えている
  • 約90分ごとに区切って練習している
  • 午後に20分ほどの昼寝を習慣にしている
  • 他の一般バイオリニストより睡眠時間が長い

ひとつづつ掘り下げて解説していきます。

4時間30分以内に練習を終える

一日中の長時間練習を続けていると、高確率で故障の問題が出てきます。また、学習の能率も下がるので、良いことがありません。しかし、練習時間を短くすることで得られるメリットはいくつもあります。

まず身体に負担がかからないこと。そして集中力を維持できること。さらに練習を短時間で済ませるための「効率化」が非常に良い効果をもたらします。

効率化のための工夫、、例えば、各練習の目的や目標を明確にしてから取り組むこと。そのための最善の方法を考えて取り組むことは、練習時間を有意義なものにします。

筋トレの場合(余談)どこの筋肉を鍛えているか意識するかどうかで、筋肉のつき方が全く変わってきます。もし何も考えずにこなしている練習があれば、意識を改めてみると良いかもしれません。

時間を区切って練習する

「朝に練習し、ヴァイオリンをしまう。午後に練習し、楽器をしまう。夜に練習し、楽器をしまう。寝る前に練習する」

ダヴィッド・オイストラフ(ヴァイオリニスト)

人の集中力は何時間も続きません。「集中→休憩」の短時間サイクルを繰り返す方法が、最も効率的です。練習、仕事、勉強、何にでも使える王道の方法がこの3つです。

  • 15分に1回立ち上がる
  • 25分の集中と5分の休憩を繰り返す
  • 90分の集中と20分の休憩を繰り返す

15分に1回立ち上がる

座っている状態は血流が悪化し、筋肉が凝り固まります。血行が悪くなるため、脳への酸素供給も減り、能率が落ちます。さらになんと寿命が縮まります。本当です。

ピアノやドラム、デスクワークなど、座る必要のある人はこの「15分に1回は立ち上がる」をぜひ取り入れてください。

トイレにいく、水を飲みにいく、本を取りに行く、それでOKです。とにかく長時間の座りっぱなしは、やめましょう。

25分の集中と5分の休憩を繰り返す

通称「ポモドーロ法」と呼ばれる時間管理方法です。25分単位で作業に締め切りを設けて、やるべきことを小分けにする考え方です。

一つのブロック(25分間)で一つのことだけに集中する。ということが大切です。ウォーミングアップなど、シンプルかつ毎回行うような練習と相性が良いです。

各練習のボリュームを「ポモドーロ何回分」で管理しておくと、日々の練習でメニューを組み立てやすく、効率的な時間配分に役立ちます。

90分の集中と20分の休憩を繰り返す

これは、じっくり考えて取り組む必要がある課題や、クリエイティブな内容に取り組む場合におすすめの時間管理方法です。

90分間は一つのことに集中して取り組む。というルールは同じです。慣れない場合は先ほどの25分ずつから初めて、慣れてきてから90分ずつ取り組むのもありです。

ちなみに、これも共通したルールなのですが、休憩中はちゃんと休憩しましょう。スマホを見てニュースを見たりゲームをして過ごしたりすると、習得したことが脳に定着しません。ボーッとしたり、散歩、仮眠するのが良いですね。

午後に昼寝をする

仮眠の効果が最強であることは、最近なら誰もが知っていることではないでしょうか。企業や学校で昼寝を採用しているところもあります。

20分間前後の昼寝をするだけで、午後の生産性が上がり、練習も捗ります。10分や15分でも効果があるし、眠れなくても大丈夫です。お昼は目を閉じて休む習慣を作ってみましょう。

昼寝の前にコーヒーを飲んでおくのもおすすめです。目覚めのタイミングでカフェインが効いてくるので、すっきり起きられます。30分以上ぐっすり寝るのは良くありません。集中力が下がり、夜の入眠も妨げられてしまいます。

睡眠時間を十分確保する

凡人が世界レベルの成果を上げるためには「毎日しっかり寝る」ことが最も重要です。天才よりも努力するためには、天才よりも良い睡眠をとることから始めましょう。

では十分な睡眠時間とは?ですが、結論、人によって全然違います。遺伝によるもので、4時間や9時間まで様々です。平均すると7−8時間必要な人が最も多いようです。

8時間も寝る時間がないよ!という方は、睡眠の質を上げましょう。寝る前にスマホをやめたり、枕を変える、規則正しい生活をする、、できることはたくさんあります。

最も言いたいことは、睡眠が非常に大切で、いい練習もいい演奏も、良い睡眠あってこそ実現できることである。ということです。間違っても、睡眠時間を削ってまで練習しないようにしましょう。

まとめ

上達したいなら練習時間を減らそう。ということで、新しい練習方法を紹介してきました。どれも練習だけでなく、仕事や学校でも使える方法です。

実際に、やりやすいものから取り入れてみて、どんな変化があるかを見てみましょう。大切なのは、何のためにやっているのかを意識して行うことです。

初めの一歩

私が始めやすいと感じたのは、「15分に1回立ち上がる」「練習を4時間30分以内にする」あたりです。思いついた時にすぐできるのが良いですね。

また、「25分の集中と5分の休憩」などは、専用のタイマーアプリがあります。おすすめは「Tide」です。Tide:睡眠音と集中タイマー(App Storeに飛びます)(無料)

参考書籍

自分を操る超集中力 成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~ スタンフォード式 最高の睡眠